チ。 地球の運動について コミック 全8巻セット: 「知らんけど」漫画
思いを受け継いでいく主人公交代型の物語としては一定の面白さがあったのは確かです。絵がもう少し上手ければとは思いましたが。この作品最大のモヤモヤは、物語の根幹たる地動説への弾圧について、歴史的事実との齟齬はよく指摘される通りですが、P国やC教表記を匿名なのか、最終章で急にポーランド表記になったようにパラレルワールドな別世界(大人ラファウが登場)としてなのか玉虫色で終えるなど予防線に終始する姿勢です。終盤にはキリスト教一部の個人解釈による弾圧だったと史実との擦り合せ仮説が終盤に出て来ます(ここもそれまでからすれば、外の情報が入らない地での箱庭世界な騒ぎだったといきなりスケールを貶めるガッカリは否めない)。けれど、それも一部の人間がやってたが記録には残してない弾圧はあったとする(これがおそらく作者さんの本音と思われるが)のかとツッコミを恐れてなのか、最終章の史実世界を連続していないパラレルワールドだと捉えられるようにさらに逃げを用意しています。その様は作中の登場人物達が真理たる知を追い求めて、そのためには死をも厭わない生き様とは乖離しているし、そのまま作者さん自身への批判にも見えてしまいます。歴史に詳しい人やキリスト教関係からの批判に対して、「歴史漫画なんだから」くらい作中で散々唱えられてる信念を発揮した方がまだ良かったように思えます。こんな窮屈になるなら地動説以外の別題材はなかったのかとも考えてしまいます。責任逃れに「知らんけど」で煙に巻くような悪い意味での若い作者世代を感じてしまう作品でした。